モッシュッシュピットB

メイトさんに聞いてみた

BABY METALの海外での人気の理由

 BABYMETALがなぜ海外でウケたのか。

 誰もが知りたいことであり、これまでも多くの人がその分析に取り組んできた。しかしいまだはっきりとした要因を解説できた人はいないと言ってもいい状況だろう。この分析は本当に難しい。BABYMETALが日本で人気が出た理由はある程度分析できても、海外となると本当に。
 それがこのたび、BABYMETALが所属するアミューズがどのように見ているのかが明かされたというのだから注目が集まった。外部の者がいかに詳細に分析しようにも、当事者の言葉にはかなわない。現時点における答えが示されるということにもなる。
 それがこれだ。

 

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BABY METALの海外での人気の理由(AMUSE)

1 ヘヴィメタルへの深い愛による、シンプルかつキャッチャーなコンセプト
2 ヘヴィメタルファンにとって久々の【新人】の誕生はウェルカム!
3 曲の良さ、ダンスの面白さ、SU-METALの歌唱力、神バンド

 

 タイトルに(AMUSE)と入っていることから、これは株式会社アミューズの公式見解のように見える。
 また、アミューズの認識では、

4 (海外でウケたBABY METALのコンセプトは)キツネ様のお告げに従い、メタルで世界をひとつにする、である
5 当初は(BABY METALの)メンバーにはその凄さがわからず、アイドル活動を優先させたがった
6 ヘヴィメタルの始祖はブラック・サバスとレッド・ツエッぺリンである
7 ヘヴィメタルサブジャンルの代表例はダークメタルである。
8 レディーガガのサポートを務めたことがエポックだった(発言部分より)

 とのことである。
 全体的なトーンとして、メタル路線を強調し、BABY METALの活動とアイドル活動を対立するものとして分析しており、これまでBABYMETAL自身が掲げてきた「アイドルとメタルの融合」というコンセプトを否定した内容となっている。

 

・・・。

 

 と、なってはたまらないということだろうか、その後、株式会社アミューズは公式HPにおいて「事実誤認に基づく発言および資料中の誤表記がありました。 」とのコメントを出すに至った。

 

 当然だろう。

 

 一部には「どこの部分が誤っていたか示すべき」との声もあるが、明示していないことに意味を見出すとすれば、アミューズとしてはこのBABY METALについての資料全てと発言全てが誤りだったとしたいのだと解釈する。

 

 BABYMETALのターニングポイントと言える出来事はいくつもあるだろうが、海外進出にあたり最大の出来事は「ソニスフィアでの圧倒的なパフォーマンスで数万人もの観衆をねじ伏せたこと」にあると感じている。
 レディーガガの前座は、日本の芸能ネタとしてはトップ級のニュースなのだろうということは理解できるが、あのガラガラのステージで健気にパフォーマンスしている彼女たちの映像を見たならば、そう簡単にはエポックな出来事だったとは言えない。

 

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レディガガ前座の一コマ 彼女たちはこのような経験を経て今の地位を築いてきた

 

 

ところで、

5 当初は(BABY METALの)メンバーにはその凄さがわからず、アイドル活動を優先させたがった

 の部分の説明として、BABY METALのメンバーはレディガガのサポートより「卒業式」を優先させたがったというような説明があったようだ。
 この説明を聞いた者は、卒業式はTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)のことだと解釈し、レディーガガの前座の価値はTIFより高いと言っているようにも感じたとのことだ。
 また、聞くものによっては、アミューズはBABYMETALの活動が、さくら学院の活動より「凄い」と認識していると理解したようだ。BABYMETALの価値はさくら学院より高いと。

 

 BABYMETALというグループは、元々そういうものをやりたいという人間と、さくら学院というユニット活動を通してアミューズキッズの成長を促すグループをつくりたいという勢力アミューズ内に併存するなかで、自グループに欲しいタレントを奪い合う危機に瀕することを避けるためか、互いに譲り合い、協力し合いながら、BABYMETALはさくら学院内の部活動ユニットとして活動する、というアートとも言いたくなるような技を生み出し、ギリギリのところで活動してきた。
 さくら学院の活動とBABYMETALの活動を破綻なく両立させるためには、両サイドともに凄まじい努力があり、綱渡りとも呼べるような道を歩んできたはずだ。菊地最愛水野由結さくら学院最上級生となると同時にBABYMETALの海外進出が本格化した2014年は特に。
 さくら学院にとって重要な舞台であるTIFに生徒会長を含む最上級生2人を欠くというのは痛恨の極みだったであろう。さくら学院は代替わりしたあと、夏のTIFを経て結束を固めていくのだ。さくら学院最大の危機がここにあったと言ってもいい。さくら学院サイドとしては苦渋の決断をして2人を送り出し、代わりにOGを呼び戻してパフォーマンスさせた上で、ステージ上の画面にゆいもあを映し出すというこれまたアートを繰り出し乗り切ったのだ。
 仮にBABYMETALよりさくら学院の活動を下と見るような発言や、さくら学院を大切に扱ってきてくれたTIFを軽んじるような言動をする者がいれば、さくら学院をマネージしてきた者たちは到底見過ごすことは出来ないであろう。この一連の発言をTIF関係者が耳にしたらどのように感じるだろうか。アミューズの信用問題にも繋がりかねない。
 そしてアミューズという会社にとって、さくら学院とBABYMETALは等しく宝のような存在であり、それどころか2014年当時のさくら学院とBABYMETALは一心同体とも言える関係であり、優劣をつけるというような話しはあり得ない。
 今回の一連の言動はこれまでのアミューズの努力を軽んじ、信用を低下させかねない問題であり、社として到底見過ごすことは出来ない事態だったのだろう。

 

 なお、BABY METALの海外での人気の理由をAMUSE名義で発表してしまった今回の人物は、2015年にアミューズの社員となった人で、ソニスフィアやレディガガ前座のあった2014年は外部の人間だった。